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人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)を活用する!

(2024/6/30)

 今月のトピックは、本来、人材育成の観点から「人事評価制度で人材を育成する」ことについて解説する予定でしたが、人事評価制度構築に係る助成金が復活していたことに気付いたため、人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の解説を行います。

出典:厚生労働省


助成金の概要                        

 人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は、中小企業が新たに人事評価制度を導入し、人事評価対象従業員(正社員・期間の定めのない非正規社員・更新の定めのある有期雇用社員)の全員合計の賃金を3%以上アップし、同時に人事評価制度導入前1年間と導入後の1年間の離職率を比較して目標値を達成すると、一律80万円が支給されるものです。

出典:厚生労働省


【主な支給要件】

(1) 助成金の指針に適合した人事評価制度・賃金制度を構築すること

(2) 人事評価を実施すること

(3) 人事評価制度に基づき評価表に則った賃金アップ(3%以上)を実現すること

 

助成金を検討する上での留意事項  その1 人事評価制度        

【人事評価制度の主な要件】

(1)  生産性の向上や賃金アップ、離職率の低下を目的として、人事評価の対象・基準が明確である人事評価制度・賃金制度を導入すること

(2)  人事評価の対象項目が労働者個人の意思によって向上可能なものであること

イメージとして能力・技能、行動、成果・業績等を下のような人事評価表で評価する仕組み

【人事評価表】

【賃金制度の主な要件】

(1)  人事評価制度による評定と賃金の変動の幅の関係が明確であること

(2)  賃金表が定められていること

(3)  賃金の額の引き下げを行う等助成金の趣旨に反しない制度であること。新制度において平均的な評定を受けた場合の賃金額が新制度適用前と比べて3%以上増加する見込みであること

 

【求められる賃金表】

 本助成金を受給するためには、下のような賃金表を作成する必要があります。
 例えば、1等級5号俸(賃金205,440円)の人が平均的な評定(例えばABCDの評価で平均的な評価をBとする)を受けた場合、6,800円を加算した10号俸の212,240円になりますが、この昇給額6,800円が205,440円の3%以上となることが必要です。
 必ず標準昇給額を確保しなければならないということはなく、C評価であれば+3号俸(4,080円)、D評価だったら0号俸(0円)という運用は可能のようです。但し、降給はできません。
 なお、賃金表の作り方については、担当地区の労働局に確認をお願いします。

助成金を検討する上での留意事項  その2 賃上げ条件           

人事評価制度構築後はじめて支給される毎月決まって支払われる賃金総額が、人事評価制度構築前の毎月決まって支払われる賃金総額と比較して3%以上アップしていなければなりません。前述したとおり、個人毎では毎月決まって支払われる賃金が3%以上アップしていなくても構いません。ただ、繰り返しになりますが、降給はNGです。

「マイナス評価を付けても降給することができないのか~」という声が聞こえてきそうですね。

更に、役職手当等が設けられている場合、それも含めて賃金アップしなければならないので、支給総額3%以上はハードルが結構高いと思います。

 

助成金を検討する上での留意事項  その3 離職率条件           

下の計画時離職率算定期間(計画書の認定申請前1年間)と評価時離職率算定期間(人事評価制度導入後の1年間)を比較して、従業員300人以下であれば、離職率を現状維持することが支給要件となります。

従って、人事評価制度導入前の離職率が0%だった場合、導入後の1年間の間で1人でも離職が発生すると助成金は支給されません。

出典:厚生労働省


本助成金の活用をお勧めできる中小企業                    

 本助成金は制度的に賃金アップと離職率の低下を目的としているため、使い勝手が悪い点も正直あります。
 しかし、人事評価制度導入前の離職率が高く、離職率を下げるために従業員の賃金アップと人事評価制度の導入を検討している会社には受給できる確率が高く、お勧めです。また、人事評価制度導入前の離職率が低く、会社の雰囲気が良いために離職者が出る可能性が低く、さらに生産性の向上や社員のモチベーションアップを図るために人事評価制度を導入したいと考えている会社にも適していると思います。

 但し、助成金を活用するかどうかは、自社の経営状況を鑑み、長期的な人件費支払能力も考慮して判断する必要があると考えます。

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